公務員でも副業はできる?おすすめの副業と守らなければいけないルール

日本には、平成29年度時点で約332万人(国家公務員:58万4,000人 地方公務員:273万9,000人)の公務員が日々、国、市民の生活向上のために働いています。公務員の中にも、仕事の給料以外に収入源を作りたいと思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、公務員は原則として副業が認められていないため、収入に不満があっても許可を得ず副業をおこなうことは基本的にできません。
ここでは、なぜ副業が認められていないのか?その理由と、特例として認められている副業を紹介していきます。

公務員の副業は基本的に法律で禁止されている

公務員がアルバイトなどの副業に手を出して処罰されるケースは後を絶ちません。
一般企業では法律上、就業時間外に副業をしても罰せられることはありません。
しかし、公務員は業務時間外であっても、法律により副業をおこなうことについて制限をかけられています。
下記がその根拠となっている法律です。

国家公務員法第103条:私企業からの隔離

公務員の副業を禁止している法律が「国家公務員法第103条」です。
第1項では「私企業からの隔離」が定められており、公務員はいかなる理由があっても営利を目的とする企業で仕事を行うことができません。

国家公務員法第104条:他の事業または事務の関与制限

「国家公務員法第104条」でも公務員の副業に関する規制がなされています。
公務員は内閣府から許可をもらった例外を除き、他企業との兼業を行い、報酬を得ることはできません。

地方公務員法38条:営利企業等の従事制限

「地方公務員法38条」では公務員が起業することも禁止しています。
「営利企業等の従事制限」と呼ばれる規制であり、公務員は営利目的の企業に関わるだけでなく、自ら会社を作ってもいけません。

副業が禁止されている理由

なぜ前項のような法律で、副業を禁止されているのでしょうか?

公務員が副業を禁止されている理由は「信用失墜行為の禁止」「秘密を守る義務」「職務に専念する義務」の主に3つが挙げられます。
ここでは3つの理由それぞれ解説をしていきます。

「信用失墜行為の禁止」

信用失墜行為の禁止とは、公務員の信用を傷つけ、全体の不名誉になるようなことはしてはいけないという規定です。

「機密を守る義務」

機密を守る義務とは、個人・国・行政の利益を著しく侵害する情報(個人情報、入札情報など)を外部に漏らすことを禁止するという規定です。
これは、公務員を退職した後でも、守らなければいけません。

「職務に専念する義務」

職務に専念する義務とは、勤務時間及びその職務上の注意力のすべてを職責遂行のために用い、職務にのみ従事しなければならないという規定です。

 

公務員が副業をおこなっていると市民が知った場合、本業に支障をきたしていないかと不安になる人もいるかもしれません。
また、大切な個人情報も公務員は取り扱っているため、副業先に、情報を流していないかと疑われる場合もあるかもしれません。
結果として、公務員の「信用を失墜してしまう」恐れがあるため、公務員の副業は禁止されているのです。

安全に行える副業は4つ

公務員の副業は前項の理由により基本的に禁止されていますが、特例として公務員がおこなえる副業はあります。
公務員が許されている副業は「不動産賃貸業」「農業等について」「株式・FXなどの投資」「本業で必要になった仕事」の4つは法律に違反していない副業です。
ただし、いずれも無制限に認められているわけではありません。

不動産賃貸業

公務員が許可されている不動産賃貸業は一定規模であれば副業に抵触しないという明確な規則があります。(人事院規則14-8
ここで問題になる言葉として「一定規模」とという言葉です。実際にどのくらいの規模であれば副業になってしまうのでしょうか?人事院規則に記載されている内容は下記の通りです。

不動産投資の場合

①一棟物件の賃貸については、一棟物件の数が5棟以上であること。
②ワンルームマンション等の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
③土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
④賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための設備を設けたものであること。
⑤賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。

駐車場の場合

⑥建築物である駐車場または機械設備を設けた駐車場であること。
⑦駐車台数が10台以上であること。

不動産または駐車場の賃貸に係る賃料収入の額

⑧賃料収入または駐車料金の年間賃料収入が500万円以上である場合

上記項目に該当した場合、「一定規模」を超える形となり自営業と判断されます。
したがって、上記①~⑧の規模以下であれば不動産投資をおこなっても禁止されている副業にはあたりません。

農業等について

大規模経営している農業等で客観的に見て、営利を目的として農業等をおこなっている場合、副業規定に抵触してしまいます。
(主として自家消費用を目的とした小規模なものは該当しません。)
農業等についても人事院規則に明確に記されています。

①当該兼業との間に特別な利害関係が生じないこと。
②兼業にかかわる業務を事業者に委ねることなどにより、業務遂行に支障が生じないことが明らかである場合。
③公務の公正性および信憑性の確保に支障が生じないこと。
④相続等により家業を継承したものであること。

農業等を副業でおこなうためには、厳しい制約があることがわかります。

株式・FXなどの投資

株式投資・FXなどの資産運用は問題なく可能です。
ただし、本業で知った公開されていない情報を元に投資をおこなった場合はインサイダー取引となり処罰されます。
20万円以上の利益を得た場合には、確定申告が必要になるので注意しましょう。

本業で必要になった仕事

公務員の職業の性質上、副業の必要が生まれることもありえます。
たとえば、警察官が情報を得るために、飲食店で働いて聞き込みをするケースも副業にあたります。

副業規定に抵触する可能性がある副業

前項4つ以外に公務員の副業には、問題がないとも問題があるとも言い切れない副業があります。

ネットオークション・転売

ネットオークションや転売で大きな利益を上げるようになると、問題視されることがあります。
副業の収入が20万円をこえると確定申告をしなければならないため、周囲に発覚してもおかしくありません。

アフィリエイト・クラウドソーシング

アフィリエイトとは、ブログやホームページにショッピングサイトなどのリンクを貼り、ブログを経由して商品が売れた場合に儲けの一部が入る仕組みです。トップのアフィリエイターは数千万円を毎月稼ぎますが、9割の人は毎月数千円がやっとです。

専門サイトで適性のある仕事を探して受注するクラウドソーシングも副業に適したシステムです。クラウドソーシングはイラストやデザインなど、手に職がある人にはおすすめの稼ぎ方ではあります。しかし、アフィリエイトと同じくいきなり高収入が保証されているわけではありません。また、いずれも月収20万円を越えると確定申告をしなければいけないのが大きな壁だと言えるでしょう。

この中でのおすすめは不動産賃貸業

6つある公務員の方ができる副業のうち、問題になる確率が少ないうえ、もっとも安定して稼げるのは不動産賃貸業です。理由は2つあり、それぞれ解説します。

公務員は融資が受けやすい

公務員は安定した職業のため、ローンを組んで不動産を購入する際、銀行から融資を受けやすい職業の1つです。
銀行のローン審査では、返済能力、年収、勤務先など総合的に評価されます。
公務員の方は、銀行からの信頼度が高いため、金利、ローン期間などで有利な条件を銀行が提示してくれる可能性もあります。

手間や時間がとられない

不動産投資は、手間や時間をかけることなく、家賃収入を得ることができます。不動産投資をする際には、「職務に専念する義務」に違反しないよう管理業務は管理会社に委託してください。たとえ小規模であっても自主管理をしてしまうと副業規定に抵触してしまいます。

 

不動産賃貸業は、5棟未満、10室未満、賃料収入が年間500万円以下など、規定が明確であるため、公務員の方が安心してチャレンジできる投資です。

まとめ

公務員の副業で、ベストな選択肢は不動産投資といえるでしょう。公務員の方であれば、銀行を味方につけ低金利で安定した投資を実現できる可能性が非常に高いと言えます。老後のため、今から1件、2件と購入し、年金の補填にすることも可能です。不動産投資で毎月30~40万円の利益を得ている方も多く、副業として十分な利益を得ています。興味のある方は、まずは不動産の専門家によるセミナーに参加することをお勧めします。

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遠藤 裕史

遠藤 裕史

大学卒業後、渡米し現地の大学院にてMBAを取得。現地新聞社で4年間働き、事情により帰国。その後、広告代理店を経て、2016年1月よりメディア・マーケティング担当として現職へ。