不動産投資トラブル8選!失敗しないための心得

不動産投資をしたいと考えていても、家族が反対していたり、失敗やトラブルが怖かったりしてなかなか一歩が踏みだせないこともあるでしょう。たしかに、どれだけ慎重に投資をしても、不動産投資はさまざまな人が介在する投資方法のため、自分では予期しなかったトラブルが発生する可能性は否定できません。しかし、トラブルが発生しても、適切な対応がとれれば被害を最小限にとどめることができます。これから、不動産投資のトラブル事例とその対処法を8つ紹介していきます。

不動産投資の罠 購入前のトラブル3選

不動産購入前にトラブルに見舞われたケースが国土交通省に報告されています。ここでは、国土交通省の不動産トラブルデーターベースにも掲載されている手付金の返還トラブル、地面師によるトラブル、電話営業についてのトラブルを解説します。

ケース① 手付金の返還トラブル

不動産投資には物件の価格が数百万円~数千万円になるため多くの方がローンを利用します。そのローン審査が通らなかったときのトラブルをご紹介します。不動産の購入に際して売買契約を結ばなければなりません。その際、ローン特約(銀行の審査が通らなかった場合・ローン金額が欠けた場合、購入希望者はその契約を破棄することができます)がついているにもかかわらず、手付金の返還を拒否する事案が発生しています。

不動産売買契約書にローン特約があり、銀行の審査に通らなかった場合または、ローン金額 が欠けた場合、決められた期日までに、契約を解除する意思を示せば、無条件でその契約を解除でき、手付金として支払った金額を不動産会社は購入者に返還しなければなりません。万が一不動産会社が支払いをおこなわなかった場合、宅地建物取引業保証協会、不動産保証協会、都道府県庁などへ相談し解決を目指しましょう。

ケース② 「地面師」による不動産トラブル

不動産を購入するにあたり、ニュースにも取り上げられた「地面師」による詐欺は、あまり多くありませんが、確実に存在していますのでその対処法を解説していきます。

「地面師」による詐欺とは、土地や建物の所有者になりすまし、不動産を転売して代金をだまし取る詐欺師のことです。土地取引が活発だった1990年前後のバブル期に横行しましたが、近年、都心部の不動産価格の上昇に伴って再びその被害が目立ち始めています。

去年の末ごろに某大手ハウスメーカーから63億円をだましとったというニュースが世間を騒がせましたが、「地面師」は、本来の所有者が知らない間に、印鑑証明、パスポートなどを偽造し詐欺をおこないます。大手のハウスメーカーもだまされた事件であり、一般の方が「地面師」に狙われた場合、見破ることは難しいかもしれません。

詐欺に気づき次第、すぐに保証協会(全国宅地建物取引保証協会不動産保証協会都道府県庁)に相談することをおすすめします。

ケース③ 電話営業による勧誘トラブル

不動産投資について、多くの会社が電話での勧誘をおこなっています。興味はあるけれど希望条件と違うために断りたい、どの様にすればうまく断れるか悩むこともあると思います。電話があった場合、まずは、相手の会社、担当者、電話番号を確認しましょう。

その上で、要件を聞き、希望と違った場合、毅然とした態度で断ることが大切です。不動産販売会社は不動産を販売するために、国土交通大臣か都道府県知事から宅地建物業取引免許を取得しなければなりません。不動産会社は、宅地建物取引業法にはさまざまな勧誘の規制があり、長時間の勧誘は禁止されています。

また、正当な理由なしに契約を急がせることも禁止です。そのため、勧誘電話でこのような迷惑行為があれば、国民生活センターに相談しましょう。

不動産投資の罠 運用トラブル3選

不動産投資において、購入後のトラブルも大家の方を悩ませる問題です。代表的な事例を3つご紹介します。

ケース④ 家賃滞納によるトラブル

家賃滞納は発生しがちなトラブルです。家賃滞納があった場合、収入がなくなることを意味し、投資として致命傷になります。そこで、気を付けていただきたいのは、入居時の審査です。ほとんどの方が、不動産会社を通じて契約をしますが、自身でも入居者の情報を確認するために、入居申込書には必ず目を通しましょう。

ここでは、全ての滞納を防げるわけではありません。したがって、入居希望者の情報を見て、家賃の支払いが滞りそうな場合、不動産会社と相談の上、入居を断ることも必要です。

 入居申込書に問題なく、人柄も良さそうな方でも家賃を滞納することがあり、悪質な場合、家賃の催促を続けても無視したり、連帯保証人が滞納分の支払いに応じないケースもあります。最近は、入居時に入居者が家賃保証会社と契約することを入居条件としている物件も多く、滞納があった場合、家賃保証会社が入居者にかわり賃料を支払うため、以前に比べ家賃滞納リスクは少なくなっています。

ケース⑤ 自殺・孤独死によるトラブル

不動産賃貸業をおこなっていると、入居者の自殺、孤独死などの事件、事故に巻き込まれる可能性は0ではありません。自殺、孤独死などの事件・事故は、頻繁に発生することがないため、その対応を知る術も少ないと思います。ここでは、万が一、自殺や孤独死がおきた際の対応方法を解説します。

自殺、孤独死があった場合、発見から原状回復までの流れは下記の通りです。

1.近所の方から異臭や害虫の苦情が寄せられる

自殺や孤独死では近所の方から苦情が寄せられるケースが多く、その場合、早急に対応をしなければなりません。もし、苦情を放置した場合、管理責任を問われ、近所の方の引っ越し費用やクリーニング費用を支払わなければいけなくなる場合があります。

2.室内の確認を家族または警察とおこなう

管理会社から苦情についての報告があった場合には、家族、連帯保証人に連絡をとるように依頼しましょう。家族と連絡が取れない場合には、警察に連絡を入れる手配をしてください。

3.遺体発見

家族、または警察立会いのもと現状確認をおこないます。その際は、管理会社の方にも同行をお願いしましょう。住居侵入罪になる可能性があるので、家族などの許可がない場合、絶対に1人で確認をおこなわないでください。

4.遺体の身元確認終了後、室内の片付け

遺体の損傷が激しい場合、身元確認ができないケースがあります。その場合に警察では、DNA鑑定や歯形などで身元確認をおこないますが、検査の結果が出るまでに時間がかかるケースもあります。身元確認に時間がかかる場合には、先行して、汚れてしまった部分の清掃(特殊清掃)、消臭作業を管理会社を通じ遺族側に依頼しましょう。また、遺族側に特殊清掃の支払いを拒否された場合、部屋のオーナーが火災保険などの特約を使い費用をまかなうケースもあります。身元確認終了後、遺族が残置物の片付けをおこないます。

 

 5.遺族と原状回復・損害賠償の協議

身元の確認が取れた段階で遺族と損害賠償について協議します。自殺の場合には、損害賠償を請求することができますが、孤独死の場合、故意も過失もないことから損害賠償を請求することができない場合が多々あります。さらに、遺体の腐敗により発生した、クロスの汚れなども請求できない可能性がありますが、こちらも火災保険の特約で対応が可能です。

 6.清算の完了をもって終了

遺族側と協議し損害賠償、ならびに原状回復費用の清算をもって終了となります。

上記の流れが一般的です。

 実際に自殺や孤独死に直面した場合、遺族側への配慮をせず何でも請求をしてしまうと、問題解決が長引く可能性がありますので、不動産会社や管理会社と相談し対処しましょう。

ケース⑥ 債務超過によるトラブル

不動産投資では債務超過におちいるケースもあります。将来のために不動産投資をおこなったにもかかわらず、失敗してしまっては元も子もありません。実際に失敗した方の多くは、地方の一棟物件を購入してしまったケースが多いようです。

地方の人口は年々減少し、利回りが高い地方の一棟物件を購入しても、入居者が決まらず、思った以上に収益が出ずに赤字に陥ってしまうケースです。最初から金額の大きな物件は避け、入居者ニーズが落ちづらく、駅が近い首都圏の物件を選ぶことで、債務超過におちいるケースは減っていきます。 

また、不動産を購入する際、オーバーローン(不動産価格+諸費用など)で借り入れをおこない、投資効率を高める方も多いですが、借り入れが大きいため、何か予期せぬ事態が起こった場合、債務超過におちいってしまいます。不動産投資でローンを組む目安として、ローントゥバリューという考え方があり、不動産の場合は物件価格の8割前後を目安に、ローンを組めば、安全と言われています。

不動産投資の罠 売却トラブル2選

不動産投資では、購入から売却までを考慮しトータルでの利益を考えなければいけません。売却に失敗をしてしまうと、いかに運用でうまくいっていてもトータルの利益がマイナスになる可能性があります。ここでは、2つの売却トラブルを解説していきます。

ケース⑦ 売却依頼の営業トラブル

大家になると、所有しているマンションの売却について、勧誘を受けることがあります。一部の業者は、大家に積極的な売却意思がない中で、不動産の売却を勧め、不当に安い金額で買い取る「押買い」をおこなう不動産会社もあります。

その他、媒介契約締結後に、建物にひびなどが見つかり、必要以上に補修費用分を減額させられたなどのケースがあります。

その様な、業者にあたった場合、値下げには応じず、毅然とした態度をとる必要があります。媒介契約の有効期間は、3ヵ月ですので、契約満了後は更新せず、業者との関係解消を図ることが得策です。無理やり、解除をしてしまうと、販売経費の費用や違約金を請求されることもあります。

ケース⑧ 売買代金に関するトラブル

 事例数は少ないですが、不動産業者が買主となる売買契約を締結し、物件引き渡し後、売買代金の支払いが遅延したり払われない事例もあります。

通常は物件の引渡しと同時に売買代金を支払う契約を結ぶため、売買代金が支払われなければ契約の解除がおこなわれます。不動産業者との間で、物件引渡し後に売買代金を支払うというような契約になっていないと起こらない特殊なケースです。

万が一、支払いの遅延・未払いのトラブルが発生した場合、買主の不動産業者に支払いの早期履行を促し、期間内に支払いが無い場合、契約解除をおこない、損害賠償請求を請求することもできます。

まとめ

今回は8つのトラブルをご紹介しました。

不動産投資は、さまざまな人が介在するため大小さまざまなトラブルが存在します。ネットや本で全てのトラブルを把握することは困難だと思います。正しいトラブルへの対処法を知るためには、たくさんのトラブル事例を扱っている不動産鑑定士への相談や、セミナーに参加し情報を取得することをおすすめします。その上で、信頼できる不動産会社と付き合い、不動産投資をおこなってください。信頼できる不動産会社を選べば、避けられるトラブルも多く、みなさんの投資目的を達成できるでしょう。

それでも、避けられないトラブルに巻き込まれてしまった場合には、不動産会社を通じ専門家へ相談するようにしてください。絶対に一人で対処せず、専門家の指示に従い対応することで、被害を最小限にとどめることができるはずです。

遠藤 裕史

遠藤 裕史

大学卒業後、渡米し現地の大学院にてMBAを取得。現地新聞社で4年間働き、事情により帰国。その後、広告代理店を経て、2016年1月よりメディア・マーケティング担当として現職へ。