不動産投資のローン審査は「信用情報が命!」その命を扱う3つの信用情報機関とは?

収益物件を購入する際、ほぼ全ての方がローンを組んで投資をおこないますが、なかにはローンを希望したけれど、金融機関の審査に通らず不動産投資がスタートできないという方もいます。

そもそも、なぜローン審査に通らないのか?審査に通らないのには、さまざま理由があり、その一つが信用情報にキズが付いているため、ローン審査に通らないケースです。ローン審査に通らなかった場合、原因を取り除かなければ、いつまでたっても審査に通らない可能性があるのです。

今回はみなさんの信用情報にキズが付いていないか知る方法として、信用情報機関から自分の信用情報を取り寄せる方法と、信用情報のチェック方法を解説します。

ローン審査で、信用情報が重要なわけと3つの信用情報機関

ローン審査をする際、金融機関は借入希望者の職業や収入など様々な情報を精査し、融資をおこなうか決定しています。

その情報の中に信用情報も含まれ、金融機関が加盟している信用情報機関から借入希望者の信用情報を取り寄せます。なぜ金融機関は信用情報を取り寄せるのでしょうか?

それは、借入する消費者の返済能力を超えた取引を防止するためです。

銀行もボランティアで融資をおこなっているわけではありません。借りる方の返済能力を調べ、返済ができる方なのかを判断しているのです。

では、その信用情報をどこが提供しているのでしょうか?

日本の指定信用情報機関は、全国銀行協会、Credit Information Center、日本情報信用機構の3つです。

全国銀行協会(全銀)とは?

会員数は1108社を数え都市銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行のほとんどが正会員として登録されています。また外国銀行(シティ、チェース、JPモルガンなど)と新たな形態に類する銀行(ネット系銀行など)が準会員として加入しています。その他、政府関係金融機関とそれに準ずる機関、クレジットカード会社、保証会社等も会員です。

Credit Information Center(CIC)とは?

クレジット会社の共同出資により作られました。消費者金融系のクレジットカード会社は加入していない所もありますが、会員数は943社を数え、信販会社・百貨店・専門店・流通系クレジット会社・銀行系クレジットカード会社・家電メーカー系クレジット会社・自動車メーカー系クレジット会社・リース会社・保険会社・保証会社・銀行・農協・労働金庫・消費者金融会社・携帯電話会社など多岐にわたります。

日本情報信用機構(JICC)とは?

商工ローン会社の各社が出資して設立した信用情報機関です。会員数は1421社にのぼり消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系カード会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など与信事業を営む幅広い事業者が加盟しています。
特に、消費者向け貸金業者の加盟は、信用情報機関でナンバーワンの加盟率を誇っています。

 

以上3つが代表的な信用情報機関です。ローンを申込んだ金融機関は、加盟している信用情報機関に問い合わせをおこない申込者の信用情報をチェックしています。万が一、滞納や、債務整理などの履歴があった場合、金融機関は、その情報を元に否決する場合があります。もし、ローン審査に何度も落ちる場合には、信用情報が原因かもしれません。

3つの信用情報機関から信用情報を取り寄せる方法

では、みなさんが信用情報を取り寄せるためには、どうすれば良いのでしょうか?3つの信用機関をそれぞれ解説していきます。

①全銀から信用情報を取り寄せる

全銀では郵送による申込みのみ受け付けており、ネット、窓口で申し込むことはできません。全銀へ必要な申込書を送付し、1週間~10日ほどで、信用情報が届きます。

情報開示に必要な物一覧

1.開示請求申込書

必要事項を明記の上、プリントアウトし、郵送してください。

2.手数料(1,000円)
ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書を、郵便局またはゆうちょ銀行直営店で入手し開示請求申込書と同封してください。

3.本人確認書類(2点)
本人確認書類は、下記の書類で有効期限が有効な物を2点(コピーまたは原本)を取り寄せ、開示請求申込書と同封してください。

その他更に詳しく知りたい方は全銀のHPを確認してください。

②CICから信用情報を取り寄せる

CICではインターネットによる情報開示、郵送、窓口で信用情報を取得することが可能です。インターネットによる情報開示では、本人確認書類の提出が必要なく、必要事項を明記し、料金を支払えば信用情報を得ることができます。

インターネットによる開示

利用前に最終確認に同意し、パソコン上で個人情報を入力後、クレジットカードで料金(1,000円)を支払えば、指定したEメールアドレスに個人情報が届きます。

郵送による開示

CICへ必要な申込書を送付し10日前後で信用情報が郵送で届きます。

情報開示に必要な物一覧

1.開示請求申込書

プリントアウトし、必要事項を明記の上、郵送してください。

2.手数料(1,000円)
ゆうちょ銀行発行の定額小為替証書を、郵便局またはゆうちょ銀行直営店で入手し開示請求申込書と同封してください。

3.本人確認書類(2点)
本人確認書類は、有効期限内のもの、現在有効なものに限ります。なお、コピーが必要な本人確認書類は、氏名・生年月日・住所・有効期限の記載のある面(住所記載が別の場合はその面)を鮮明にコピーのうえ、添付してください。

窓口での開示

窓口で申込みをおこなえば、その場で信用情報を取得できます。

情報開示に必要な物一覧

1.手数料

開示手数料として、窓口で500円を支払います。

2.本人確認書類(1点または2点)

その他更に詳しく知りたい方はCICのHPを確認してください。

③JICCから信用情報を取り寄せる

JICCではスマートフォン、郵送、窓口で信用情報の申込みをすることができます。スマートフォンから申込みをしても、郵送で信用情報が発送されるため、窓口で手続きをおこなうことが、信用情報を一番早く取得できる方法です。

スマートフォンからの申込み(PCからはNG)

スマートフォンから申込み1週間程度で自宅へ結果が郵送されます。

1.手数料(1,000円)
クレジットカード、コンビニ、ATM、オンラインバンキングから支払うことができます。

2.個人情報書類
個人情報書類は下記いずれか1点を用意する必要があります。

郵送による開示

JICCへ必要な申込書を送付し1週間~10日前後で信用情報が郵送で届きます。

1.信用情報開示申込書


必要事項を入力のうえ、QRコード付きの開示申込書(PDF)を印刷し、本人確認書類と手数料と共に送付します。

2.手数料(1,000円)
クレジットカードでの支払い明細、もしくはゆうちょ銀行発行の定額小為替証書を、郵便局、ゆうちょ銀行直営店で入手し開示請求申込書と同封してください。

3.個人情報書類(1点または2点)
個人情報を送付する際、1点で良い書類と2点の書類を用意しなければいけない物に分かれます。更にコピーで良い物、原本が必要な物があります。

その他更に詳しく知りたい方はJICCのHPを確認してください。

開示した信用情報の正しい読み方

ここからは、取り寄せた信用情報の読み方を説明します。
ここではCICの情報を元に解説していきます。

まず、①~④を確認しましょう。

①入金状況

この欄には、クレジットカード会社などへの入金記録が過去2年間分記載されています。まずは、入金情報を示す記号と意味を理解しましょう!

$・・・請求通りに入金があった。

P・・・請求額の一部が入金された。

R・・・お客様以外から入金があった

A・・・お客様の事情でお約束の日に入金が無かった

B・・・お客様の事情とは無関係の理由で入金が無かった

C・・・入金されていないがその原因がわからない

・・・請求も無く、入金も無かった(クレジットカードを使わなかった)

空欄・・・クレジット会社などから更新記録がなかった。

通常、クレジットカード会社からの請求に遅延なく支払っていれば「」または「空欄」となっているはずです。最近、クレジットカード会社は、入金が記録されても「空欄」のままにしている場合があります。「空欄」でもクレジットヒストリーに問題はありません。大切なことは、「P」や「A」、「C」が付いていないことを確認することです。

②お支払い状況

お支払い状況の中で「返済状況」に「異動」と記載されていた場合、「事故情報」に登録されたことを意味します。この事故情報が、「ブラックリスト」と言われるものです。CICでは「異動」となる条件が3つあります。

条件1
返済日から61日以上または3ヵ月以上の支払い遅延があるものまたは、あったもの。

条件2
返済ができなくなり、保証契約における、保証履行がおこなわれたもの。

条件3
裁判所が破産宣告したもの。

以上3点が「ブラックリスト」に入る条件とされていますので気を付けてください。

③割賦販売法の登録内容

利用しているローンがいくら残っているか?リボ払いを利用している場合にはその残債がいくら残っているかが記載されています。この項目で注意する項目は、「終了状況」という項目です。この「終了状況」の欄に以下の言葉が入っていた場合、「ブラックリスト」に記載されていますので確認してください。

貸倒れ・・・クレジットカード会社などが、貸倒れと判断し処理したもの

本人以外弁財・・・保証人や保証会社から支払いがされたもの

法定免責・・・破産などにより法的に支払いが免除されたもの

④契約内容

ここには「どういった内容でいくら借りたのか」その内容が載ります。

 

以上がCICの信用情報の読み方になります。全銀とJICCもフォーマットは異なりますが、基本的な表記は一緒です。

過去に金融機関から借り入れをおこない、延滞、代理弁済、債務整理で「異動」という表記があった場合、金融事故者になり「ブラックリスト」に履歴が残っています。この金融事故者になった場合、ローン審査に通るのはかなり難しいと言えます。

不動産投資をおこなう場合、「延滞があった」・「代理弁済をおこなった」など担当者に伝え、対策を練ったうえでローン審査に挑みましょう。

金融機関が見る信用情報と私たちが見る信用情報は違う?

私たちが取り寄せることができる信用情報では、「異動」が発生した年月日が記載されており、完済後、約5年間その記録は保持されています。では、5年後には「ブラックリスト」から外され、信用が回復するのでしょうか?

答えは、YESでもありNOでもあります。

YESの理由

審査が甘い金融機関であれば、「ブラックリスト」に記載がないという判断をして、ローン審査に通る可能性もあります。

NOの理由

金融機関は統合・合併を繰り返しおこなっているため、統合・合併した金融機関同士が事故情報を共有している可能性があります。つまり、信用情報機関の情報ではクリアになっていても、金融機関が独自に持っている個人信用情報には、ネガティブな情報が残っている可能性が極めて高いと言えます。しかも、金融機関がその様な情報を何年保持しているのか?ということを知ることはできません。

更に、金融機関が見ることができる信用情報は、私たちが見ることができる情報と一緒とは限りません。不動産投資用のローン審査は、住宅ローンの審査に比べ、審査基準が厳しいため、必然的に信用情報のチェックも厳しいといえます。

不動産投資用ローンについての詳しい記事はコチラ:金融機関はどこを見るの?不動産投資ローンを徹底解剖!

 信用情報を味方につけて不動産投資を有利におこなうポイント

不動産投資をおこなう上でローンは切っても切れない関係にあります。だからこそ慎重に行動して、戦略的に動いていくこと、金融機関を味方につけることが成功するための絶対条件になります。

ローン審査を通すためには不動産会社選びが重要

不動産投資を考えている方で、「クレジットカードの支払いで延滞があった」など思い当たることがあれば、ローン付けに強い不動産会社に相談をしましょう。ローン付けに強い不動産会社は、審査を通すノウハウにたけているため不動産会社選びも重要な要素です。

そして、戦略を練ったうえでローン審査に挑めば、審査に通る可能性も飛躍的に高まります。

依頼をしてはいけない不動産会社の特徴

むやみに複数の金融機関に審査を入れるように勧めてくる不動産業者は避けましょう。

理由として、複数の金融機関からの信用情報への照会記録が残るため、○○銀行も○○信用金庫にもローン審査を申込んでいるということが分かり、心象が悪くなる可能性もあります。更に短い期間に複数の金融機関にローン審査を申込んでいた場合、他の金融機関でローン審査がNGだったのでは?と疑われ、詳しく信用情報を見られる可能性も否定できません。

信用情報にキズをつけないためにやるべきコト

ここまで、信用情報にキズがついていないか確認する方法、信用情報の読み方を解説しましたが、やはり信用情報にキズをつけないことが1番です。キズがつく一番の要因でもある「支払いの遅延」を避けることが必要です。金融機関によっては、一日でも遅延すれば、入金状態が延滞を示す記号Aとして登録される場合もあります。

支払いが遅れる場合には速やかに金融機関に連絡を入れ、支払う意思を示すことが重要です。金融機関にとって一番良くない状態は、入金も無く、連絡も取れない状態です。つまり、返済の意思があるのか、ないのか分からない状態です。

すぐに連絡を入れて、すみやかに入金することが、信用に付く傷を最小限にとどめる方法だといえるでしょう。もちろん翌月からは、必ず予定通りの返済をするようにしましょう。

まとめ

不動産投資でローンを組もうと考えたときには、あらかじめ信用情報を確かめ、信用情報にキズが付いていないかチェックすることは大切です。もし、自身の信用情報にキズが付いていた場合、事前に不動産会社と共有し対策をたてることが可能です。審査に通らず資金計画に突然狂いが生じた場合、対応できない可能性も否定できません。それを避けるためにも、自身の信用情報は把握しておいて損はありません。

遠藤 裕史

遠藤 裕史

大学卒業後、渡米し現地の大学院にてMBAを取得。現地新聞社で4年間働き、事情により帰国。その後、広告代理店を経て、2016年1月よりメディア・マーケティング担当として現職へ。