
日本政策金融公庫は政府が100%出資する政府系金融機関です。
2008年に国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫と国際協力銀行の4つの金融機関が統合され日本政策金融公庫が設立されました。
不動産投資の収益物件にも低金利で融資してくれるため、人気が高い金融機関の1つですが、融資がおりる確率はおよそ30%と言われています。
ここでは、確実に融資をおろすために、知っておくべきポイントをご紹介します。
目次
日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫は、中小企業、個人事業主に対して融資をすることを目的としています。
融資も、銀行などに比べ比較的緩く、金利も安いことが特徴です。
更にこれから事業を始めようとしている人にも融資をしてくれます。
日本政策金融公庫は、中小企業・個人事業主をサポートし自立した企業、国民を増やすという考えのもと設立され下記の様な特徴があります。
① 社会的弱者を優遇
② 1%前後~の低金利
③ 固定金利
④ 保証人不要
政府系金融機関ということもあり、中小企業、個人事業主に融資を積極的におこない、平均融資額は600万円~700万円になります。
不動産投資では物件価格の7割前後の融資額が出ることが多いようです。
日本政策金融公庫では貸付状況を公開しており、毎月2万件~5万件の融資を実行しています。
借りやすいと言われるのになぜ借りることができないのか?
借りやすいと言われている日本政策金融公庫ですが、実際には申し込んだ方の30%しか融資を受けることができていません。
では、70%の方が融資を受けることができない理由はなんでしょうか?
それは・・・
日本政策金融公庫を軽く見ている
ということです。
政府系の金融機関なので、簡単にお金を貸してくれると考えている方が非常に多いですが、「良い人そうだから」、「頑張ってそうだから」といって誰でもお金を貸してくれるわけではありません。
融資するお金の原資は皆さんの納めた税金なので、返ってこないということは絶対に避けなければならないのです。
よって、合理的な返済プランを作成することが重要となり、そこに根拠を示す必要があります。
日本政策金融公庫に提出する➡企業概要書はコチラよりダウンロードできます。
不動産投資で融資を受ける3つの条件
日本政策金融公庫から収益物件の融資を受けるためには、大きく分けて3つの条件があります。
① 不動産賃貸事業であること
家賃収入を目的とした不動産投資は、「不動産賃貸事業」なので融資を受けることが可能です。
ただし、日本政策金融公庫では投資目的(転売目的)の融資はおこないません。
② 担保があること
通常、不動産投資で融資を受ける場合、購入した物件を担保として提供する必要があります。
設備関連で融資を受ける際には、担保が不要のケースもあります。
③ 公共料金・税金等の未払いがないこと
政府系金融機関なので税金の滞納、公共料金の未払い等の履歴を調べ、滞納があれば融資は難しくなると言われています。
日本政策金融公庫へ申込みをおこなう前に、滞納がないかもう一度確認しましょう。
会社員であれば給料天引きのため、未納はないと思いますが、事業主の方は未払いが起こりやすいので気を付けましょう。
以上3つが融資を受ける際の最低条件になります。
日本政策金融公庫は他の金融機関に比べて融資を受けやすいのか?
金融機関の中で、中小企業・個人事業主にお金を貸してくれるところは、民間の金融機関(銀行、信用金庫、信用組合)と政府系金融機関(日本政策金融公庫)があります。
融資を受けやすい順番は
①日本政策金融公庫
②信用金庫・信用組合
③地方銀行
④都市銀行
日本政策金融公庫からの融資が一番通りやすいです。
それは個人事業主や中小企業を支える役割があるからです。
借入期間
日本政策金融公庫は最長借入期間が20年と民間金融機関に比べ短いため、価格が安い物件の場合に利用すると良いでしょう。
女性(起業してから7年未満)・・・15年 ※20年が適用される場合もあります。
男性(29歳以下/55歳以上)・・・ 15年
男性(30歳~54歳) ・・・・・・10年
固定金利の金利決定方法
日本政策金融公庫は固定金利のみで融資をおこないます。
現在の2016年10月時点の金利は、1.25%から1.85%です。
金利は担保物件評価によって異なります。
2000万円の融資を希望する場合、担保評価が、1500万円であれば、1.40%が適用金利になります。
政府の方針で女性の起業、若者、シニアの企業を支援しており、女性、男性で29歳以下または55歳以上のかたは平成28年現在0.6%~1.2%の優遇金利を受けることが可能です。
融資までの流れ
日本政策金融公庫で融資を申込んでから実行されるまで、約1ヵ月~1ヵ月半ほど掛かります。
私の見たケースでは約2週間で融資が実行されたこともあります。
※金銭消費貸借契約
金融機関から融資にて借り入れをおこなう場合、借主と貸主との間で交わす契約のことです。
※抵当権設定契約
融資を利用し投資物件を購入したあと、返済ができなくなった場合、その物件を売却し代金を優先的に返済にあてることができる権利です。
※団体信用生命保険
融資を利用し投資物件を購入したあと、本人が死亡または高度障害状態になってしまった場合、保険により融資金を返済することができる生命保険です。
日本政策金融公庫の➡借入申込書はコチラよりダウンロードできます。
見本を参考にしてください。
その他必要書類
①企業概要書 ※初めて物件を所有される方は創業計画書
②確定申告書類一式
③担保物件の登記簿謄本
④金融資産が分かる書類 など
まとめ
1.日本政策金融公庫では、毎月2万~5万件の融資を実行しており、不動産投資では物件価格の7割程度の融資が一般的ですが、物件評価次第では100%の融資がおりる。
2.日本政策金融公庫は、「企業概要書」を用いて合理的な返済プランを作成することが最重要。
3.不動産投資で融資を受ける場合、転売目的ではなく賃貸事業をおこなう必要がある。
4.固定金利で最大で1.25%の金利が適用されます。女性、29歳以下又は55歳以上の男性は0.6%~1.2%の優遇金利が受けられる。
5.融資を申込んでから実行まで1ヵ月~1ヵ月半程度の時間が掛かる。
日本政策金融公庫を利用し多くの方が不動産投資をおこなっています。
担保評価が高い物件には、大変安い金利が適用されますが、その反面、融資期間の短さに問題あります。
30歳~54歳までの男性は10年が最長になり、その分返済額が多額になるため、収支バランスが崩れ大幅なマイナスになります。
よって比較的安価な区分マンションを購入する際に利用すると良いでしょう。
不動産投資の融資を日本政策金融公庫で受けるための面談対策とチェックリストはコチラ

遠藤 裕史

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