高利回り物件に注意!不動産投資でよくある5つの落とし穴

不動産投資の疑問についてのイメージ

不動産投資を行う方が一番気にされることは利回りです。利回りが10%の物件と6%の物件の物件であれば、当然10%を選ぶ方が多いのではないでしょうか?

利回りが高いということは価格が安い、または賃料が価格に対して高いということであり、それなりの理由(築年数が古い、駅から遠い、ニーズがない、長い間入居者が変わらないなど)がある可能性があります。今後、少子高齢化の影響で、メインターゲットである20代~30代の賃貸需要の落ち込みが予想され、競争は激化していくと考えられます。

投資である以上、利回りは大変重要な要素です。しっかりと利回りを確保しつつ、安定した資産運用を実現するための考え方を解説していきます。

賃貸ニーズを把握して、高利回り物件を選ぶ

不動産投資で成功している方は高利回りの物件を所有・運用することで、成功を収めているわけではありません。
高利回り物件を購入することだけが、不動産投資を成功させる要因ではなく、安定した入居率が大事になります。
入居者がいて初めて賃料収入が入り、利回りは後からついてくることを覚えておいてください。

まず考えるべきは入居履歴であり、それはマイソクには記載されていない項目です。
物件の入居履歴、入居者ニーズを把握することが何よりも大切です。
なぜならば、賃料収入からローンを返済することが基本であり、賃料収入がなければ、購入された方の自己資金からローンを返済しなければいけないからです。

不動産投資において利回りが最重要項目であることもまた事実です。
空室が頻繁に起これば高利回り物件であっても年間の利回りはすぐに低下してしまいます。
皆さんが見ている高利回り物件は、もしかしたら危険な物件なのかもしれません。
まずは、安定して賃料収入が確保できる物件なのかを判断することが大切です。
怪しい高利回り物件を購入しないように気を付けてください。

 賃貸ニーズを把握する方法

初めて不動産投資を行う方は、どのように賃貸ニーズを図れば良いのでしょうか?
予測で購入すると賃貸ニーズを読み間違えた時のリスクは計り知れません。
初めての方でも簡単にできる、賃貸ニーズの調べ方について解説します。

①購入する不動産会社に賃貸需要を聞く

気に入った物件を見つけたら、不動産会社に聞いてみましょう。
不動産会社は、レインズという不動産業者専用のサイトにアクセスでき、購入物件の空室状況、賃料の妥当性など物件に関する情報を取得することが可能です。

②WEBサイトを活用する

ホームズでは、入居希望者がどのような地域で探しているかを知ることができます。(賃貸需要ヒートマップ
入居希望者が多い地域で物件を所有することは、安定的な賃料収入を実現することと、賃料が下がりづらいというメリットがあります。

③不動産がある地域の賃貸会社に確認する

購入予定の不動産がある地場の賃貸会社へ問い合わせをおこなうことも一つの方法です。
営業の方であれば、その地域について沢山の情報を持っていますので、正確にニーズを把握することが可能です。
一社では偏りが生じる可能性があるので三社に問い合わせを行えば、正確な情報を取得できるでしょう。

以上が、入居率を安定させ利益を生むために行う方法です。
少しの手間で、色々な情報が手に入ります。
収益物件を購入する前に、一度確認をしてみてください。

見せかけの高利回り物件を購入しないための計算方法

不動産投資は、購入から売却までの収支を考えて投資を行うコトが非常に重要です。
ここでは、物件の収益力から価格を導き出す方法を解説します。
投資家の皆さんが探している高利回り物件が、収益力から見て価格が妥当なのかを判断できれば、不動産投資においてリスクは激減します。

物件の収益力が高ければ価格は高くなり、収益力が低ければ価格は安くなります。
収益力から価格を判断するため、マイソクに記載されている利回りに騙されることなく本当の高利回り物件を手に入れることができます。

収益還元法|直接還元法とDCF法

収益還元法には直接還元法とDCF法の2種類があります。
一般的には直接還元法を理解すれば、価格の妥当性を理解することができます。
DCF法は、より詳しく計算するため、複雑であり一般の投資家の方にはなじみませんが、考え方を理解しましょう。

直接還元法とは 

直接還元法とは1年間の純収益を還元利回りで割り、収益還元価格を決定する方法です。
この計算は不動産投資のような長期投資に向いている計算方法です。

例えば、還元利回りが7%として年間収益が100万円、年間経費(維持管理費・修繕費・税金・保険・空室損失など)が30万円だとすると、物件の収益還元価格は1,000万円になります。
この条件であれば、1,000万円以下で販売されていた場合、高利回り物件と判断することが可能となります。
還元利回りは、物件周辺の利回りを参考にすると良いでしょう。

還元利回りを知りたい場合は、ホームズで物件周辺の利回りを調べることができるので、参考にしてみてください。
ただし、還元利回りの明確な求め方は存在しないため、購入を検討している物件の築年数、立地などを考慮する必要があるため、参考程度に考えると良いでしょう。

利回りの調べ方

DCF法とは

DCF 法 (Discounted Cash-Flow)は、収益物件の購入から売却までの全ての期間で予測される価格を現在の価格に割り戻して計算する方法です。
DCF法は、直接還元法よりも特殊性が強く内容も複雑です。

5年後にもらえる2,500万円と今もらえる2,500万円では、5年の間に預金金利、運用益を得ることができるため、今もらえる2,500万円の方が価値が高いです。
また、将来の収益であり、確実に手元に入ってくる保障はありません。

したがって、DCF法は、将来の収益(賃料)と売却価格を割り引いて計算します。
DCF法によって収益還元価格を正確に計算しようとした場合、計算式が非常に複雑なため、業者などに頼むと良いでしょう。

DCF法

実際には、ローンの金利リスク、インフレ、デフレのリスクなど盛り込んでいないため、さらに複雑な計算になります。

収益還元法を理解することで、物件を高値で購入するリスクを軽減できるため、直接還元法の計算式だけでも覚えておくと良いでしょう。
見た目の表面利回りがよいからという理由で、購入することは大変危険です。
表面利回りが低くても、トータルの収支で考えると割安な物件も沢山あります。
特に、DCF法の考え方は不動産投資において、重要な考え方になりますので覚えておいてください。

自助努力で高利回り物件へと変化させるポイントと収益率の目安

物件を探している方の多くが高利回りで立地の良い物件を探しています。
では、そもそも高利回りで立地の良い物件は存在するのでしょうか?

答えはYESです。

それは、リフォーム、リノベーションをすることで収益率を改善できる物件です。
壁紙、フローリングの張り替えだけで見栄えが大きく変化し、賃料をあまり下げずに入居者がつくことも多く、賃貸需要の活性化につながります。
物件の売却を考えた場合、安定した賃料が取れているということは、それだけ高く売却をすることも可能です。

リフォームのポイントはオンリーワンを目指す!

・競合を避けるため、費用を抑えほかにはない部屋を目指す。

・古い部分が余計に目立つため、設備だけを最新にするワンポイントリフォームは行わない。

・家主は住む方を第一に考え、借り手の趣向にあわせリフォームを行う。

以上3つのコトに気を付けてください。
自助努力で物件は生まれ変わり、収益率を改善してくれます。

では、どの程度の収益率を目指せばよいのでしょうか?

収益率の目安についてピケティ著書「21世紀の資本 」のなかで、

「資本収益率が自然に持続的に2~3%以下にまで落ち込んだ社会はこれまで存在しないようで、私たちが普段目にする( あらゆる種類の投資を平均した )収益率は通常( 税引き前で )4~5%に近い。

伝統的社会の農地収益率は今日の社会の不動産の収益率同様―これらはそれぞれの時代で最も一般的でありリスクの少ない投資形態だ―
だいたい4~5%程度で、超長期的に見ると( 4~5%から3~4%へ )若干減少傾向があるくらいだ。」と述べてます。

本の中でピケティは、収益率4~5%の物件であれば安定した投資が可能であると結論づけています。
つまり4~5%の物件が安定した収益物件、5%以上が高利回り物件という認識で良いと思います。
歴史的に見ると利回り5%強の物件が一番安定して収益をあげられる可能性があるということです。

では、今後の不動産投資市場はどのようになるのかを見ていきましょう。

2020年頃まで物件価格は上昇!オリンピック後に物件価格は下落する。

2013年9月8日に2020年のオリンピック開催が決定し、建設業界、広告業界、通信・インフラ業界などオリンピック需要の恩恵を受けている企業も多いのではないでしょうか?

一方、不動産価格の上昇は、第二次安倍政権発足後から上昇し始めました。
政府が2%のインフレを目指し、資金の投下を行っていることが理由の一つとなっています。
そこへオリンピック開催が決定し、資材、人材不足の影響で新築の不動産価格が上昇してきました。
下記は、国土交通省が発表している住宅価格の推移を表しています。

2010年から続くマンションの高騰が、住宅価格を押し上げていることが分かると思います。
マンション価格は2010年から27.7%上昇していますが、戸建て住宅は1.1%、土地は‐3.3%となりました。
オリンピック・円安の影響で資材の輸入価格が上昇したこと、人材不足も不動産価格が上昇した要因の一つですが、一番の要因はマンション人気によるものです。

不動産価格指数

その結果、新築マンションの価格が高騰し、新築を購入できない方が中古マンション市場に流れることで、中古の価格が上昇する要因となっています。
では、マンション価格の上昇はいつまで続くのでしょうか?

「まだまだ上がる」と考える方、
「そろそろ下がる」と考える方、
両方います。
未来の不動産価格の推移を正確に把握できる人は一人もいません。
しかし過去のデータから予測を行うことができます。

不動産価格の動き

不動産には15年周期説というものがあり、15年ごとに不動産価格が上昇するというデータです。
前回不動産価格上昇のピークは2006年~07年にかけて価格が上昇し、サブプライム問題により価格が下落しました。

その前は、バブル期の89年~90年に不動産価格はピークを迎えました。
このように過去をさかのぼると、ほぼ15年周期で、不動産価格が上下していることが分かります。
したがって次のピークは、オリンピックの影響もあり2021年頃と予想することができます。
それまで、多少の上下はあるかと思いますが、物件価格は相対的には上がっていく可能性が高く、利回りも低下することが予想されます。

オリンピック後に高利回り物件を買うために行うべきコト

不動産投資を行う際、良い物件を安い時に買いたいと思うことは当然だと思います。
では、物件価格が下がることが予想されるオリンピック後まで、不動産投資を行わない方が良いのでしょうか?

もちろん、安い時に購入するために資金を貯めておくことも一つの方法です。
しかし、不動産投資はローンを使うことが一般的で、この低金利がオリンピック後まで続くという保証はどこにもありません。

過去、物件価格が下がった時に多くの投資家は購入することができませんでした。
理由は銀行の貸し渋りにより、ローンを組むことができなかった方が多くいたことです。
実際にバブル期は、金融引き締め(総量規制、公定歩合の引き上げ)を政府主導で行ったため、不動産価格は急激に下落し、失われた20年間と言われるデフレ時代に突入しました。

その時、物件価格は下落したにも関わらず、多くの投資家が購入することができませんでした。

現在は、政府が市場にお金を供給し、インフレを起こす目的でマイナス金利を採用しています。
しかし、マイナス金利政策がこのまま続くことは考えづらく、どこかのタイミングで必ず引き締めを行わなければなりません。
その際には金利が上がり、それに伴い銀行からお金を借りることは難しくなります。
したがって安い時に購入できる人は、銀行のローンが組みやすく、お金に余裕がある資産家だけです。

では、価格が安い時に購入するにはどうすれば良いのでしょうか?
答えは、その時までに、資産家になることです。
そのためには、歴史的低金利の今が最大のチャンスかもしれません。

まとめ

1.賃貸ニーズがある地域で、不動産投資を行う。

2.収益物件の高掴みを防ぐため、利回りではなく収益還元法で考える。

3.高利回り物件を狙う場合、リフォームなど自身で改善できる物件を選ぶ。

4.現在、不動産価格が上昇しているのは、マンション人気によるところが大きい。

5.不動産価格が下がった時に買うことができるよう、今から不動産投資を行うコトが重要。

利回りだけで判断した場合、怪しい高利回り物件を購入してしまう可能性があります。
物件の収益力を判断し、安定した不動産投資を行わなければいけません。
投資である以上、1円でも利益を上げなければその投資に意味はありません。
投資期間全体で収益を考えることで、今まで目を向けてこなかった収益を生む物件に出会えるかもしれません。

現在、物件価格は上昇していますが、低金利が後押しとなり不動産投資を始めるチャンスと言えると思います。
今から、資産を築くことで物件価格が下落した時に良い条件で物件を購入する準備を行っていきましょう。

遠藤 裕史

遠藤 裕史

大学卒業後、渡米し現地の大学院にてMBAを取得。現地新聞社で4年間働き、事情により帰国。その後、広告代理店を経て、2016年1月よりメディア・マーケティング担当として現職へ。