【第16回】名古屋駅近アパート物件(亀島):空室の部屋で練炭自殺発生

2011年1月5日、年始早々、勤め先に妻からの電話。
名古屋駅近アパート物件(亀島)の1室で、練炭自殺が発生し、他の部屋への一酸化炭素混入のリスクもあるので、大至急、全部屋の鍵を開けて欲しい旨の電話が名古屋消防署から来ているとのこと。
私は直ぐに名古屋消防署に電話をしました。
私は、建物賃貸管理はS社に全面委託しており、鍵は持っていませんし、そもそも東京在住なので、S社に連絡して欲しい旨、御話しました。
名古屋消防署の方も、アパートの緊急連絡先として看板に記載してあるS社(会社代表電話で携帯電話番号ではない)に連絡をしたが連絡がつかないとのことです。
私の方も連絡を試みましたが連絡が取れません。
午後になって、やっと、S社に連絡が取れました。
ところが、S社の方は、電話口では、なにやらほがらかムードで、全く緊張感は感じられません。
どうやら、S社の年始は1月5日の午後かららしく、新年の挨拶周りの最中の模様です。
暫くして、やっとのことで、話が通じたのですが、その前に名古屋消防署の方から連絡が通じて、ある担当者の方が鍵を持って現場に向かったとのこと。
その後、私は名古屋消防署の方とも連絡が取れ、S社からの鍵を待っているとのことです。
それにしても、落ち着いてよく考えてみれば、当該部屋は空室なのです。
一体誰が練炭自殺を図ったというのでしょう?
浮浪者でも住みついていたのでしょうか?
S社に聞いてみたところ、年末の12月20日頃、急遽入居が決まったが、年末年始でバタバタしており、オーナーへの連絡が遅れてしまっていたとのこと。
普通は、事前に、こういった入居希望の方ですが宜しいでしょうかとの一報が入るものです。
急遽入居というのは、今回のようにロクな場合はないのです。
前の家を家賃滞納・トラブル等で追い出されたとか、死に場所を探していたとか。
年末に入居して、年始に自殺を図る等、死に場所を探していたとしか思えません。
入居審査の際は、特に不自然はなかったとのことですが、年末年始の短期間で、仕事・恋愛関係等で何かあったとでもいうのでしょうか。
ところで、消防署・警察・瓦斯会社等が駆けつけ、大騒ぎになったわけですが、練炭自殺を図った方は助かりませんでした。
9室中、他の8室では、事件当時在室者は1人のみで、その他7室では外出中とのことでした。
S社から各入居者に連絡を入れてもらい、事前了解を取った上で、各部屋に緊急立ち入り。
不幸中の幸いで、結果的には、他の部屋・入居者には影響はありませんでした。
一歩間違えれば、換気扇・配管等を通じて、一酸化炭素が拡散し、他の部屋・入居者にも影響が出かねないとのことでした。
その後は、御両親が来られ残地物引取り。
清算は、通常通り1ケ月前解約ということで、1ケ月分の家賃のみ。
損害賠償金等はゼロです。
こちらとしては、自殺は、賃貸・売却時には重要事項告知義務対象となり、家賃・売却価格は通常半額程度になり、大損害です。
風評被害にでもなれば、最悪、全部屋空室です。
結果的には、家賃を大幅に下げて、そういったことを気にされない女性の方が入って下さいました。
御蔭様で、他の部屋にも影響は出ませんでしたが、玉砕直前のヒヤヒヤドキドキものの事件でした。
【まとめ】一棟物アパート等は、事件(他殺・自殺等)・事故(火災等)による風評被害等は影響が大きいので、リスク分散、入居者審査、緊急連絡先、損害保険等が重要となる。

加藤 隆
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。 所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。 不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。