【第31回】表面利回りの罠 番外編「かぼちゃの馬車」大事件②

みなさまこんにちは!

 ストレージ大家ひらです。

 今まで私は不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について19回に渡りコラムを書いてきました。
そしてその表面利回りの罠そのものの事件が今回起きました。

 「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスを運営していた
スマートデイズがサブリースの支払いができなくなってしまったのです。
700人以上いると言われるかぼちゃの馬車オーナーたちの中から、
何人の自己破産者が出るかと言われているくらい、
深刻な不動産投資の事件です。 

これはまさに私が今まで書いてきた表面利回りの罠そのもののような物件であり事件なのです。
表面利回りの罠としてシェアハウスの危険性を直前にコラムとして公開した身として、
「かぼちゃの馬車」の一括サブリース支払い停止のニュースについて、
前回に引き続き私なりの意見を書きたいと思います。

シェアハウス自体の問題ではない

シェアハウス運営と民泊運営は似ているところがありますが、
いざという時はシェアハウスの方が問題です。
そういう意味でシェアハウスの方が表面利回りの鬼子です。

シェアハウスこそ表面利回りを出すための構造であり、
表面利回りの鬼子であることについては、
偶然にもかぼちゃの馬車のニュースが表面化する直前に2本のコラムを書いていました。

「表面利回りの罠⑱~表面利回りの鬼子~」
「表面利回りの罠⑲~表面利回りの鬼子②~」

この両コラムに書かれていることをベースに、
今回は具体的に書いていきたいと思います。

 シェアハウスとは構造上そもそも利回りが上がるようにできています。
本来独立してあるべき水回りや収納を共用部にまとめてしまうことにより、
空間として最も狭い部類の部屋を貸し出すからです。

 実はここまでは全く問題ありません。
問題なのはここから先です。

安く貸すことも高く貸すことも問題はない

「小さく割れば割るほど利回りが高くなる法則」
自体に問題はありません。
確かに狭小な間取りは今時好まれません。
逆に今は大きなリビングが好まれる時代です。
ただ中には家賃の絶対額が少ないことや、居住性より立地を重視する人もいます。
私自身も一方で立地が良く低家賃である分居住性は犠牲にする賃貸には肯定的な方です。

 そして、シェアハウスの形式を逆に好む方もいますから、
シェアハウスにすることで安く貸せるのでしたらもちろんのこと、
逆に差別化し好まれるシェアハウスを作り上げることで
㎡あたり高く貸せていたってそこにはなんの問題もない訳です。

 シェアハウスにすることで安く貸せることも、
あるいは逆にシェアハウスであることで高く貸したとしても、
そこに問題はありません。

問題は家賃ではない

今回のかぼちゃの馬車の問題は、
実は「適正家賃がどこにあったのか」ということではありません。

 今回のかぼちゃの馬車の一件は、
その家賃が適正であったかどうかということであればそもそも自己破産まで意識するような事態にはなりません。
なぜならサブリースを切って自分で埋め直せば良いからです。
それができないのが、今回のかぼちゃの馬車の最も過酷なところなのです。

問題は需要にある

今回のかぼちゃの馬車の一件の神髄は、
そもそも需要がなかったことにあります。
そもそも借り手がいない需要のない箱を作っていたことが問題なのです。

これは適正家賃がどこにあるかなどという生易しい問題ではありません。
そもそも安くしたところで埋まる訳ではないのです。

本当の利回りが問題

私は表面利回りの罠シリーズを執筆させて頂いております。
表面利回りさえ他の預貯金や債券,保険のように、本当にその利回りであったのなら、
不動産投資はなんら問題はありません。
それが全く違うから不動産投資はとても危険であり、大変なのです。

 今回のかぼちゃの馬車の一件は私に言わせるまさにそうで、
表面利回りとは全くかけ離れた箱を作り、
そしてその利回りを信じ、
あるいは想定が甘く、
そして購入したことが問題なのです。

 次回に続きます。

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。