表面利回りの罠⑭~キャピタルの組み込み②~

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みなさまこんにちは!

ストレージ大家ひらです。

引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について説明していきます。

前回に引き続き、表面利回りに
不動産投資の中でも最大級に重要なキャピタルの組み込みです。

後半の今回は、実際にキャピタルを組み込む手法についてお話しします。
どうキャピタルを想定するか、このヒアリングには実は毎回大変な苦労をいたします。
そしてキャピタルの組み込みにはメンテナンスが重要です。

『売却しないから良い』は間違い

不動産投資にキャピタルを組み込む話をすると、決まって言われるのが、
「私は売却しないからいい」
という意見です。
業者さんであれば、
「未来のことはわからないから考えても仕方ない」
と言われることもあります。
つまり売却しないのであれば、本体価格がどうなろうと構わないのだという発想です。
しかし、これは2つの意味からまったくナンセンスです。

『貯金箱』と『爆弾物件』

1つは売却とは否応なく、しなくてはならないことがあるからです。
そのとき含み益(キャピタルゲイン)があるのなら、なんら問題はありません。
これら物件は逆に貯金箱です。

問題は含み損を抱えていたときです。
もし売却価格が残債を下回っていた場合、売却すればその隠れ借金が表面化してしまうため、売るに売れません。つまり、物件内部に借金を抱えているようなものなのです。
爆弾を抱えて生きているようなものなのです。
こういう物件を「隠れ借金物件」「爆弾物件」と私は名付けています。

『隠れ借金』を金融機関は見抜いている

この隠れ負債の問題は、
売らなければ顕在化しない,周りにばれない、
というわけではありません。
逆に融資の審査では、常に一番見られています。
金融機関の独自の評価ではありますが、
借金に対して評価が低い物件を抱えていると、
その後融資が引きにくい状況になってしまうのです。

このような隠れ借金物件は、
金融機関では「信用の毀損」として扱われます。
実質の債務超過として、融資が承認されなくなる要因になります。
これが2つめです。

どちらの意味からも、
常に自分の投資の解散価値は考えながら投資するのは、
投資家としての鉄則です。

『予測できない』は誤り

また、業者の中には、
「未来予測はできないから、売却時の想定はできない」
というところがあります。
私が不動産初期のころに読んだ無料の読み物にそれが書いてあって、
びっくりしたことがあります。
これも論外です。
売るための詭弁かと正直思ったのですが。

実はキャピタルの組み込みには、
売却事例を多く抱えている売買中心の仲介や、
地域の相場を把握している地場の仲介からの
ヒアリングはどうしても欠かせません。

キャピタルのヒアリングには毎回相当な苦労をする

私もこのキャピタルのヒアリングをするのにあたって、ともかく
毎回この想定キャピタルの説明をするのに死ぬほど苦労するのですが、

私が考えるキャピタルの想定はそれほど難しいものではありません。

5年後金融機関の状況がどうなっているとか、
日本の政治がどうなっているとか、
だから不動産市況がどうなっているとか、
そんなことを予想して出そうとは微塵も思っていません。
そんなことは私の頭では不可能です。
そして私には無意味なことでもあります。

予測できないのではなく想定しなければならない

では、だからといって、5年後のことは考えなくても良い、
と皆様は思うでしょうか?
そうは、思わないはずです。
むしろ大事なのはインカムゲインではなくキャピタルゲインです。
計算すればわかりますが、
より不動産投資の利回りを決定するのは実はキャピタルゲインなのです。

暫定でも、自分のこれから所有する物件の売却価値が今後どういう推移を辿るのか、
想定しておかなければならないと思うはずです。
だからといってこの先何年何十年にわたって不動産市況を的中させることも絶対にできません。

では私達にできることは何でしょうか?
それは「そのつもり」でやる。
「そのつもり」を常に更新する。
これだけではないでしょうか?
私はいつもそう単純に考えています。

キャピタルの私の想定は『相対的な差の把握』

では「そのつもり」は何でしょうか?
これは人によって違うのかも知れませんが、
私がやれることは、
今この状況で築20年と築25年と築30年とを相対的に比べるだけです。
言い換えると、20年と築25年の相場の現時点での『相対的な差』を把握するだけということです。

つまり自分の物件の築年数だけを進めて、今の相場だったらいくらかを考えるだけです。
それにはエリア,構造,立地,間取り,設備,デザイン制、すべてが関わってきます。
そして、おそらく最も大きい要素となりえるのが、そのときの融資状況を初めとした不動産市況です。

家賃の下落幅の組み込み

ここに、家賃の下落幅は組み込んだ方が良いでしょう。
ただしここも立地やデザイン制、そして募集条件でかなり変わってくるので、実は、

経営中に家賃をいかに下げないように、すべてをコントロールしていくのが不動産経営上良いのか、家賃下落や、そのための手取りの減少や、それを補うインカムゲインの足の遅さを知ることで、わかるようになると思います

インカムゲインは足し算、キャピタルは掛け算の世界

それらすべてを意識し、インカムゲインとの関係を常に把握します。
先にも書いたように、キャピタルの振り幅はインカムゲインよりはるかに大きいのです。
私は、インカムゲインは足し算の世界で、キャピタルは掛け算の世界だと常に言っています。

キャピタルの組み込むにはメンテナンスが欠かせない

表面利回りに必ず”想定”でもキャピタルゲイン、またはキャピタルロスを組み込んで下さい。
そして”想定”である以上、それは常に見直しが必要です。
予測とはそうしたもので、毎年、可能なら数ヶ月に一度位、自分の物件の解散価値については見直しが必要なのです。

そうしてキャピタルを常に正確に組み込むことで、
ようやく自分の本当の資産を把握し、
売却と保有の正しい判断ができるようになるでしょう。

表面利回りにキャピタルを組み込もう

キャピタルを組み込まない限り、
不動産投資の本当の利回りは出てきません。

それは本当の収益力もわからぬまま投資しているのと同じです。
売るつもりがなかったとしても組み込んで下さい。
キャピタルを組み込むことが不動産投資のあらゆる判断をする必須条件です。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございまいした!

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。