【第19回】表面利回りの罠⑫~利回りではなく稼働率が正解~

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ストレージ大家ひらです。

引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について説明していきます。

今回は稼働率です。

表面利回りの根本的な罠、稼働率

表面利回りの根本的な問題は数多くあります。
そのうちの1つが稼働率です。
前回の満室想定と私の中では対になるような要素です。

稼働率の罠はわかりやすいと思います。
手取りで10%の収益物件でも、
平均稼働率が60%までしか上がらない物件であれば、
この利回りは意味が無く、
正しい利回りは6%と考えねばなりません。

稼働率が上がらないとは?

今回のケースで厄介なのは、前回の
「【第18回】表面利回りの罠⑪~満室想定の罠~」
で書いた正しい家賃も誤りではない点です。

では、なぜ、
こんなこと(正しい家賃でも稼働率が連動しない)が起こるのでしょうか?

[ケース1]需給バランスが崩れていると稼働率は上がらない

理由は多く存在しますが、
例えば私の持っている3LDKのRCマンションは、
エリア的にこの間取り(3LDK)を多く抱えていて、
さらに人口流入エリアではないため地域間での移動が主で、
このため3LDKの需給バランスが崩れています。

このため設定家賃が適正でも満室稼働はなかなかしないのです。
時間が掛かります。

[ケース2]人口が少ないと稼働率は上がらない

元々人口が少ないエリアもそうです。
例えば人口3万人の町に私は大型物件を持っていたことがありますが、
そこでは元々の人口が少ない分、
稼働率はそうそう上がらないのです。
上がるにしても時間が掛かります。

当然ですが、この緩やかな上昇の期間が必ず発生することで、
その分稼働率が落ちることになります。
つまり、90%以上のような稼働率は、こういったエリアではまずないのです。

[ケース3]大規模物件は満室にならない

これも私の所有していたマンションの例ですが。
3DKx70戸の全空物件を取得したことがあります。
判断が遅れ一括貸しを諦めて一般需要で埋めましたが、
半年かけて現地に張り付きあの手この手を駆使しても稼働率50%が限界でした。

地元の複数の不動産会社からも、
このエリアにあってこのマンモスマンションだけで需給を崩してしまうため、
稼働率は80%が限界だろうと言われていました。

適正家賃が間違えている訳ではない

ケース1~3は、
家賃が適正であるところが厄介なところです。
もし家賃を下げた場合どうなるのか?
と言うと、実は稼働率はそこまで上がりません。
なぜなら元々の玉(入居希望者)が少ないのでから。

若干の稼働率は上がりますが、そもそも、
家賃を下げてしまえば利回りも下がるのですから、
そもそもの利回りが間違えていたことになります。

家賃は下げられるとは限らない

また、やはり賃貸経営には適正家賃というものがあります。
例えばケース1で説明した私の3LDKのマンションは、
これ以上値を下げると2LDKの間取りの価格帯と重なってきます。
こうなると地域全体の需給を崩すことになり、
最悪値下げ合戦が始まってしまい、
賃貸経営自体が成り立たないようなエリアになりかねません。
そう、安易に家賃を下げるのは地域全体の賃貸相場をおかしくしてしまう
ことになりかねないのです。

家賃を下げれば招かれざる客を招く

そして家賃を下げることは招かれざる客を招くことになります。
家賃を下げると属性の悪い方を招くことになるのです。

それは家賃の滞納や、
その他の問題を引き起こす可能性を示唆します。
適正な間取りには適正な家賃を支払ってもらうのも、
賃貸経営として必要なことなのです。

家賃を下げても稼働率が上がるとは限らない

このように、
地域の需要の問題や、
地域のバランスの問題、
属性の問題
などから、家賃を下げれば稼働率が上がると言う単純なものではありません。

利回りではなく稼働率が正しい

よく言われることですが、
賃貸経営は利回りが問題ではなく、実は稼働率が問題なのです。
表面20%あっても稼働率が半分以下なら絵に描いた餅、
表面12%でも常に満室稼働するなら表面20%の50%稼働より下手すると2倍収益力は上です。
そしてそれは適正家賃であっても起ることであり、
家賃を下げたところで解決する問題でもないのです。
つまり稼働率とは適正家賃とは別に存在する指標なのです。

稼働率は利回りには出て来ない

この稼働率は表面利回りには出てきません。

この計算式のどこにも出てこないのです。
賃貸経営するときには表面利回りに稼働率を自分で掛けて下さい。
そしてこの稼働率は自分で調べて出して下さい。
それを購入前に組み込んで下さい。
これが本当の不動産の利回りを計算するのに欠かせないことです。

見誤ればローン返済ができなくなり、

賃貸経営は失敗することでしょう。

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。