【第17回】表面利回りの罠⑩~正確に出すことは不可能?利回りの妙味②~

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みなさまこんにちは!

ストレージ大家ひらです。

引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について説明していきます。

今回も前回に続き、表面利回りの妙味をもう1つ続けたいと思います。
不動産投資において利回りというものがそもそもあってないがごとく
非常に難解であるということをより理解して頂きたいからです。

様々ありますが、今回はよく私自身の身に起きる、
あるいは他の大家さんも起きる、
引き渡し前の現象と買えない期間を使って、
説明したいと思います。

不動産購入時によくある引き渡し日の遅延

私がRC1棟マンションを5年前に購入した時、
当時でも掘り出し物件であったため、
まず2番手で買付けが入りました。
そのまま買付け順となり、一端は、私は買えませんでした。

結局1番手の人が融資の審査が通らず、
その後に私のところに回ってきました。
この間の1ヶ月分取得が遅くなったことになります。

さらにその後、融資を通して私の取得が確定し、日程を決める段階になりました。
それぞれ都合の合う日程から2週間ほど引き渡し日が伸びてしまいました。

大変大きい日割り家賃

家賃は当時月90万程度だと思いましたので、
1日あたり3万円の家賃が入っていることになります。
1ヶ月分の家賃なら90万円、
2週間引き渡しが伸びたのなら42万円(3万x14日)もの家賃が
手に入らなかったことになります。

もちろん固定資産税や管理費、利息、電気代などの
固定で掛かってくる経費もありますので、
全ての家賃が残る訳ではありませんが、
半分残るとしても1ヶ月なら45万円、2週間なら21万円も損をしたことになります。

さて、このお金は表面利回りのどこに入るのでしょうか?

引き渡し期間をなにかにつけ延ばしたい売主もいる

1ヶ月で手取り45万円、
1日長くもつと1万5千円もらえる。
実はこれが不動産投資、賃貸経営のもう1つの顔です。
特に超短期で言えばその他の長期修繕費用や建物に掛かるリスクもほぼありません。
純粋な手取りです。

だからいざ売買が成立した後、
売主側が惜しくなって、
なるべく引き渡し時期を遅くしようとしたり、
極端なケースでは売却自体を取りやめたいと言ってきたりする
ことはよくあることです。

入居が伸びたのは表面利回りに入る?

他にも、最近私の投資仲間の物件で入居が決まったのですが、
家庭の事情で2週間ほど入居が伸びてしまいました。
日割り家賃で3.5万ほどです。

これももちろん同様です。

買えない期間は表面利回りに入る?

これらは小さな数値ですが、
ではもっと大きな額でその存在を認識してもらいたいと思います。

例えば表面利回り15%以上の物件で無いと買わないという方針の投資家がいたとします。
まあ私もそんな感じの投資家なのですが。

利回り15%に拘ればなかなか買えないのが常です。
例えば購入までに1年以上費やしてしまったとします。
買えるのに1年費やしてしまったのは、
全空で1年棒に振ってしまったのと似ています。

これは決して表面利回りには入ってきませんよね。
この機会損失は、表面利回りはおろか、実質利回りだろうと、全ての利回りに入ってきません。

買えない期間の存在額

では表面13%でいいので1年で見つけられた人と、
3年間、あるいは5年間の手取りや利回りはどちらが上でしょうか?
計算してみましょう。
利息や空室率など全て加味した経費率を50%とします。
元金部分の返済はもちろん計算にいれません。
物件価格は3,000万とします。

[3年所有の場合]

450万 = 3,000 x 15% x 50% x 1年

585万 = 3,000 x 13% x 50% x 3年

 

[5年所有の場合]

1,125万 = 3,000 x 15% x 50% x 4年

975万 = 3,000 x 13% x 50% x 5年

 

3年では13%の方が上ですね。
5年で逆転するように見えるかも知れませんがそこはもう少し奥が深いです。
5年の間に13%の物件は5棟、15%の物件は3棟しか見つからなかったらどうでしょう?
1年おきに購入して行けたらと計算すると複雑なので割愛しますが、
全然13%の方が手取りで大きいことはわかると思います。

機会損失は表面利回りに組み込まれない

話をまとめます。

・引き渡し期間が延びる
・入居が伸びる
・購入できない期間

これらは表面利回りには入ってきません。
包括的に言えば、稼働率、機会損失、これらは表面利回りには組み込まれないのです。

如何だったでしょうか?
表面利回りも、あるいは実質利回りさえ、
実際にはこの程度のものです。

前回掛かる経費を分子に入れるか分母に入れるかという表面利回りの難しさを書きましたが、
今回は引き渡し時期、そしてそもそも買えない期間の機会損失が表面利回りには全く表れてこないことを書きました。

変に拘りを持ってずっと買えない人に比べたら、
そこそこでいいからバンバン買う人の方が一気に伸びてくるのです。
リスクの度合いは違いますが。

利回りというものの難しさ、あやふやさを、改めて認識してもらえたら幸いです。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございまいした!

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。