【第12回】表面利回りの罠⑤~ランニングコスト(代表的設備)~

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みなさまこんにちは!

ストレージ大家ひらです。
引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である「表面利回りの罠」について説明していきます。

もう一度整理ですが、
表面利回りは以下の式で正確な利回りへと変わります。

利回りの計算

 

 

表面利回りの罠②~④までは、この計算式の中で、
分母の部分のリフォーム費用を扱ってきました。
今回の表面利回りの罠⑤からは分子のランニングコストを扱います。

ただし、決して分母が全部処理しきれた訳ではありません。
また分母の話に戻ってくることになります。

利回りの概念は難しい

そもそも、掛かる費用のどれが分母でどれが分子かはかなり難しい問題だったりします。
例えば、前回第11回の「表面利回りの罠④~水回り(設備費用最大級)~」では、
水回りについて扱いましたが、
物件購入時に掛かる費用であれば間違いなく分母で問題ありませんが、
元々問題ない箇所が想定外に運営中に壊れた場合はランニングコストと考えるべきでしょう。

これら不確定要素も設備の多寡などでならして計算しておく必要があります。

今回の表面利回りの罠⑤は引き続き設備維持費用について扱いますが、
今回はいよいよ購入時に掛かる費用ではなく、
あくまでランニングコスト、運営に関係するコストとして扱います。

この表面利回りのおそろしく難しい問題はいずれ扱いますが、
今は簡単に分母なのか分子なのかすら難しいということを意識してもらえればと思います。

人が生きるための空間を提供することは本当に大変なこと

前回も書きましたが、
不動産投資、賃貸経営において他の投資との違いは、

「人が生きるための空間を提供している」

ことにあります。
これは本当に大変なことです。
私のように一方でセルフストレージのような空間貸し出しをしている身だと、
同じ空間貸し出し事業でもこの差がよくわかります。

ライフラインの維持に必要な基本設備

その人が生きるために必要な具体的な設備がライフラインであり、
ライフラインを機能させているのが例えば以下のような設備です。

マンションの設備

 

 

 

 

 

実は、これら設備がない昔の物件は珍しくなく、さらに、
今建てられている建物にもこれら設備の一部がない物件が多い
という実態があるのですが、
基本的に現在では全て必需品です。

この中でも特にお金が掛かるのが、
水回りと言われる、お風呂、キッチン、などです。
これが前回のお話しでした。

そしてその水回りも、
購入時に必要な修繕としてリフォーム費用に組み込んで考えていました。

設備維持費用はランニングコスト

今回はランニングコストの中の設備費用を考えてみます。
購入時に掛かる費用と考えるコストではなく、
運営中に掛かってくるコストとして考えるべき費用です。

つまり定期的に壊れていくと仮定する経費です。
水回りももちろん含まれます。

そして、
表[基本設備]の中でも特に代表的なのがエアコンや給湯器です。
その他の設備との違いは、

・金額が大きいこと
・定期的に買い換えが必要なこと

が挙げられます。

実際の設備維持費用~エアコン~

ではエアコンをまず考えてみましょう。
エアコンは6帖用の2.2Kwで家電量販店でも6万前後するかと思います。
(余談ですが私が大家を始めた2012年は3万円で買えました。今はもうそういうのはありません)

エアコンは10年程度が交換の目安と言われています。

つまり、10戸ある集合住宅を購入したり、あるいは総数10戸で運営している場合、
1年に1台壊れるイメージで、
毎年6万円の出費が必要ということになります。
当然2.5Kwや2.8Kwなど容量が増えていけば、
維持費用は1年に8万円、10万円と上がっていきます。

この点もファミリータイプや専有床面積の大きな物件の泣き所です。
さらに、もっと根本的に、1世帯に2台のエアコンも現在はごく普通です。
その2台ともが家主負担である例も最近ではよくあります。
つまり年間あたり倍のランニングコストです。

実際の設備維持費用~給湯器~

給湯器もエアコンと似たような考え方です。
交換もやはりエアコン同様10~15年が目安と言われています。

給湯器の場合は追炊き機能が付いているのか、
パイプスペース(PS)用かスリム型かポピュラーな壁掛けタイプかで
費用もまた全然変わってきますが、
最近私が所有している戸建ての給湯器が壊れてしまい、
その例で言うと交換すべて含めて総額で9万掛かりました。
総じてエアコンより維持費用が掛かります。

ちなみに給湯器は安く仕入れないとエアコン以上に高くつきます。
先の私の壊れた時の事例でも、管理会社経由だと15万の見積りが上がってきました。

実際の設備維持費用~エアコン+給湯器~

エアコンを6万、10年で交換と考えても、
賃貸を維持するのに、年あたり6千円必要です。

給湯器を10万、10年で交換と考えても、
賃貸を維持するのに、年あたり1万円必要です。

エアコンと給湯器だけで、1戸あたり年1万6千円が必要となってしまいました。
むしろ、10戸で年額16万円の経費が掛かると考えた方が良いでしょう。

中古物件はさらにメンテナンス代が掛かる

さらに中古の築が古い物件を購入した場合は、
私の経験上倍のスピードで掛かってきます。

さらにここに表[基本設備]のその他の設備も組み込んでいく必要があります。
例えば洗面化粧台などはコストパフォーマンスが良いので、
やはり退去のタイミングで交換する例が多いです。

これらは家賃収入の中から差し引かれる経費として、
不動産投資の利回りに組み込む必要があります。

次回、もう少し詳しくランニングコストを見ていきたいと思います。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございまいした!

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。