
みなさまこんにちは!
ストレージ大家ひらです。
引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について説明していきます。
表面利回りの罠2回目は、最大の経費リフォームを組み込みました。
表面利回りの罠3回目は、リフォーム費用は築年数以外に、専有面積と間取りに大きく左右されることを書きました。
今回はリフォーム費用にも影響する設備、
特に設備のなかでも利回りに最大の影響を与える水回りについて扱います。
目次
リフォーム費用において深刻な設備費用
リフォーム費用は賃貸経営において最大経費になりえるくらいウェイトが高いです。
そのリフォーム費用にも大きな影響を与えるのが設備の維持費用です。
ここが不動産投資の辛いところです。
不動産投資が他の投資と大きく違う点として、
人が生きるための空間を提供している
ことが挙げられます。
人が生きるために必要なのがライフラインであり、
ライフラインは維持するのにお金が掛かり、
ライフラインの中でも特にお金が掛かるのが、
水回りと言われる、お風呂、キッチン、などです。
非常に不人気なお風呂
お風呂の中でも非常に不人気なのがまず3点ユニットバスです。
バストイレが一緒の空間にあり、
カーテンでお湯を遮ります。
海外では普通なので外人向けには良いのですが、日本人にはともかく人気がありません。
もっと不人気なのが昔のバランス釜です。
賃貸ではある意味大変ポピュラーな問題がバランス釜です。
実は中古物件では未だによくあります。
私もそうですが、もう現在バランス釜を扱える人はほぼいませんので、
賃貸ではバランス釜の物件は給湯器に変更していくことが基本です。
さらに意外に多いのが、お風呂がそもそもない物件です。
昔の物件では決して珍しくありません。
お風呂は直したくても直せない設備
これら問題を抱える物件を購入するときは要注意です。
例えば不人気の3点ユニットバスであったとして、
バス/トイレを分離するようなリフォームは賃貸ではなかなかできません。
なぜならリフォーム費用を家賃で回収できないからです。
私の経験ですが、
赤水が出ていた八街の戸建てを売却(賃貸の時も問題でした)する時、
赤水で浴槽他ひどい汚れでした。
しかしとても直すと回収できなかったです。
それでどうしたかと言うと、結局、
その汚れを気にしない若い夫婦が最後購入していき、
直せずに終わっています。
水回りのリフォーム費用は重要な経営判断点です
しかしながら、例えばさすがにバランス釜のままでは賃貸の客付けは望めません。
現在は全国的に空室率が高く入居者は選べる立場にあります。
バランス釜もですが、風呂無し物件なども現在は賃貸付けするのは厳しいです。
いかに賃料を安くしたところで入居はなかなか見込めません。
私は池袋の風呂なしアパートの時は、
共用部のデッドスペースにシャワールームを設置したことがあります。
3点ユニットバスも現在では大変不人気で家賃を下げても入居は望みにくいことがあります。
つまり、これらのケースではお金が掛かっても直すしかないのです。
その分を表面利回りからキッチリと削った上で購入するかどうかの経営判断をする必要があります。
水回りの交換が利回りを大きく左右する
物件を購入する時は、
これら水回りの設備がそもそもきちんと動作するのか、
そして交換が不要なのか、それとも必要なのか、
よく注意し調べてください。
交換になれば大きな金額の負担があります。
リフォームの中心である壁紙やクッションフロア(CF)、フローリングといった設備
に比べると、それ単体で費用が大変掛かるのが水回りです。
特にお風呂は大変お金が掛かります。
例えばお風呂が万一交換となると、
簡単に50万前後掛かってもおかしくありません。
家賃によっては1年分です。
その他の水回り、キッチンとトイレ
では同じ水回りでもキッチンはどうかと言うと、
これは大きさやグレードにもよります。
流し台程度であれば私は5万程度で古い流し台の廃材含めて交換したことがあります。
システムキッチンの交換になってくると20~30万程度といったところで、
お風呂に比べるとまだ安いです。
ただお風呂以上に修繕が効く設備なので、
システムキッチンごと交換する例は多くはないと思います。
トイレは一般的なものならもう少し安く、私の場合節水型の便器でも2万円程度で購入しています。
仮に便器ごと交換でも10万以内だと思いますが、問題なのはバランス釜同様、
昔のくみ取り式や和式のトイレの場合です。
これらを洋式に変更する場合はやはりそこそこお金が掛かってくるケースがありますので、
お風呂同様、要注意です。
リフォーム費用の考え方について
ちなみに、お風呂もキッチンも、普通に頼めばもっと大きくお金が掛かります。
安く直すことを前提として書いています。
独自のルートや大家の間では広く知られているやり方で、
大変安く直せることもあります。
ですからあくまで一般的な相場ではなく、いくらで直せるかという視点で判断してください。
水回りのリフォーム費用は購入時に慎重に組み込むこと
もし例えば全世帯のお風呂を交換しなくてはならなかったとします。
その場合正確に見積りをとって建物全体でいくらかかるのか、
購入前にしっかりと計算に入れておかなくては、賃貸経営は失敗します。
例えば1世帯50万掛かるのなら8世帯の物件で400万の費用が必要です。
この金額は購入時に賃貸経営上必要な金額として表面利回りに組み込む必要があります。
購入時に直せない例えば入居中の世帯の分も、
退去のタイミングで当然順次顕在化していきますので、
やはり計算に入れておく必要があります。
つまり見えない部屋の負の遺産も考慮しておく必要がある
ということです。
水回り次第で賃貸経営は失敗する
お金が掛かり過ぎてやりたくてもできない、あるいは建て直した方が早い場合や、
そもそも水回りを用意できない場合などは、
賃貸経営自体がそもそも成り立たないこともあります。
水回りは他の設備と比べて大変お金が掛かるのに、
賃貸経営する上で半ば必須になってきます。
水回り次第でそもそも賃貸経営は失敗します。
設備の中でも最大級に賃貸経営を左右するのが水回りです。
きちんと運営と利回りに反映し、賃貸経営に失敗しないようにして下さい。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございまいした!

ストレージ大家ひら

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