【第5回】収益物件に「高齢者、年金受給者、生活保護者、外国人等の入居者ってどう?」

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少子・高齢化・人口・世帯数減、経済衰退の中にあって、
今後の不動産経営はどうあるべきでしょうか?

まずは、立地・環境でしょう。
全体の人口・世帯数は減ります。
そして、経済衰退にあって、
インフラ投資対象エリアは都心に限定されます。

都心は、建蔽率・容積率等規制緩和により、
益々、大きな建物が建てられるようになり、
益々、人口は都心集中となります。

逆に、僻地は、インフラ投資もされず、
益々、人が減っていきます。
物件的には、人口・世帯数が減る分、理論上、
1人・1世帯当たりの居住面積は増えるわけですから、
専有面積は、広めになっていくでしょう。
少子・高齢化ということは、
単なる人口減だけでなく、
子供が減って、高齢者が増えるということです。

生産年齢(15~65歳)人口は減って、
非生産年齢(65歳超)人口が増えるということです。
円安・外貨高、外国人誘致という国策もあって、
外人も増えるでしょう。
今や、在日外国人は500万人と言われており、
20人に1人は外国人ということです。

それでなくても、人口・世帯数は減り続けているのに、
その内訳でも、高齢者・外国人が増えていくので、
若い人・日本人はどんどん減っていきます。

方や、物件余りで、空室率20%の昨今にあっても、
建築業界等を含めた景気対策の観点からか、
物件も、年間100万戸のペースで増え続けています。
一般的には、高齢者、年金受給者、生活保護者、外国人等は、
入居者としては敬遠されています。

高齢者は、心身共に弱くなりがちで、
ぼけ老人になったり、最悪、孤独死の可能性もあります。
又、経済的には、仕事はリタイアし、年金受給者になり、
貧乏な場合、生活保護者になっているかも知れません。
経済的に苦しい場合には、滞納の可能性も高くなります。

高齢者の場合、通常の人と比べて、
生活時間帯も、習慣も違いますので、
特に、若い人とは、トラブルになりがちということもあります。
高齢者は、太陽と同じような時間帯で生活している人もいます。

つまり、日の出と共に起き、日の入りと共に寝ます。
方や、若者はと言えば、夜中迄でも、
徹夜ででもドンチャン騒ぎ。生活時間帯が違うのです。
外国人も難しい面があります。

言語・文化・宗教・習慣等が違いますし、
一番気になるのは、滞納の上、
残置物を置いたまま、
勝手に帰国したり、行方不明になった時です。
勝手に帰国されたら、連絡を取るのは困難です。

行方不明になった時は、もっと大変です。
てっきり勝手に帰国したと思って、
残置物を処分し、リフォームの上、
新しい入居者を募集したところ、

暫くして、ひょっこりと帰ってきて、
「国に帰っていた。」なんてことがあるのです。
そうなると、法的には、賃貸人の方が、
不法侵入・窃盗・賃貸借契約債務不履行等、
不法行為ということにもなりかねません。

しかし、ものは考えようです。
高齢者は、勤めをリタイアしていれば、
日中も家にいることが多いものです。
セキュリティ上、無人よりいいものです。
留守番・管理人代わりになることもあります。
お金を浪費することも少ないでしょう。

一般的に、高齢者は住宅を借りにくいので、
一旦、借りられたら、滞納もせず、
品行方正にするものです。

年金・生活保護生活の場合でも、
場合によっては、下手なサラリーマンより安定しており、
きちんと家賃が入ってくるものです。

又、間借り、風呂・トイレ(和式)・洗面所共同、銭湯、和室等に慣れており、
今の若い人のように、バス・トイレ(洋式)別だの、
洋室だのと贅沢は言いません。

外国人も同様です。一般的に、
外国人も住宅を借りにくいので、
一旦、借りられたら、滞納もせず、
品行方正大学にするものです。

又、風呂・トイレ一体型にも慣れています。
アメリカ・東南アジア等、バスタブ無しのシャワールームのみ
というのも結構一般的にあるものです。

そういう意味では、狭いワンルームマンション、
バス・トイレ一体型、バスタブ無しシャワールームのみ、
築古物件等日本では好まれないような物件の場合、
チャンスかも知れません。

針のむしろ、今後は、これらの層に対しても、
対象として積極的に活動することも効果的かなと思います。
私の物件においても、高齢者、年金生活者、生活保護者、外国人等の方もおられます。

高齢者の方については、
最も心配なのは、孤独死です。
連帯保証人無しの保証会社保証だと心配ですので、
少なくとも、身元引受人がいることは最低限の条件にしております。
管理会社さんには、通常以上に、
見守って頂くように御願いしています。

郵便受けの溜まり具合、電気のメーター・瓦斯の元栓等の状況、
カーテン・洗濯物等から、ある程度わかるものです。
年金生活者、生活保護者の方については、
最も心配なのは、家賃滞納です。

管理会社さんには、通常以上に、
ウォッチして頂くように御願いしています。
エリアによっては、
生活保護金を直接大家さんに支払ってもらうことも可能なエリアもあるそうです。
銀行口座振替にしてもらうのも確度が高いものです。

外国人の方については、最も心配なのは、
滞納・残置物放置の上での連絡の無いままの長期不在・帰国です。
留学生の場合、通っている学校の連帯保証人を付ける等の対策も有効です。
あとは、
「1カ月以上に亘って所在不明の場合には、
賃貸人は、賃貸借契約を解除することができ、残置物がある場合には、
賃借人の費用負担(敷金充当等)で廃棄することができる。」
といった特約を賃貸借契約に入れておくか、
別途、覚書を交わしておくのも効果的かと思います。

もっと言えば、一般の大家さんが避けている高齢者、
年金生活者、生活保護者、外国人等の方々を、
敢えて積極的に対象として考えてみるというのもありかも知れません。
例えば、高齢者用に、見守りサービス(センサー等を活用した安否確認、巡回等)、
ヘルパーサービスを付ける、年金生活者、生活保護者を対象に、
ファイナンシャル・アドバイスサービスを付ける、
外国人を対象に、日本語スクールサービスを付ける、
外国人用シェアハウスにする等です。

【まとめ】

今後、高齢者、年金受給者、生活保護者、外国人等も入居対象者として、
視野に入れていくことも考えていく必要性が出てくるでしょう。

加藤 隆
バブル崩壊を生き抜いた現役最古参のサラリーマン大家さん。 所有物件100戸、実践的・総合コンサルティング系マルチタイプ投資家。 不動産経営を通じ、サラリーマンの経済的・時間的・精神的自立を提唱する。