表面利回りの罠⑰~大家の間にも既に出ている利回りの弊害~

ストレージ大家ひらです。

引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
『表面利回りの罠』について説明していきます。

前回の第16回で、本来欺される側の当の大家自身が好んで表面利回りの罠を使っている現実を書きましたが、
今回はもっと善良な大家達の間にも起きている、まさに表面利回りの弊害について書いていきたいと思います。

新築の利回りの考え方

ちょっと話が飛びますが、私は地方高利回りの中古の不動産投資から入り、
今は新築の都心回帰をしている状態です。

新築の場合、利回りの考え方ひとつとっても、中古と大きく違うところがいくつもあります。
例えば中古以上に新築は利回り1%の差がとてつもなく大きいです。
当たり前のことですが、新築の方が利回りは低いからです。
例えば東京23区の新築であれば8%出ているとかなり優秀な投資になります。

不動産投資の利回りに正解はない

利回りの考え方というのはある意味、実は正解がありません。
というか、正確に言うのであれば、
売却して全ての結果が出るまで利回りは決まらない
と言った方が正確です。

そんな利回りについて、ある新築を進めている大家さんとの会話です。
目下私が一番気になっているのは、
他の人が東京23区で一体何%出して新築を建てているか?
なのですが、伺ったところ、8.5%くらい出ているといいます。
これはかなり優秀です。
ところが、そもそも考え方の時点でズレが出ていました。

大家の中でも違う利回りの考え方

お互い話を進めていると、条件の違いに気づきました。
私の場合、

新築にかかる全ての合計を分母とし、
経費は考えない満室想定家賃のみを分子

とした計算で利回りを出していました。

1.土地代+建物代
2.土地の仲介手数料,土地の登記手数料
3.消費税還付

私の場合1,2の合計に対し満室想定賃料の経費抜きという考え方です。

利回りの違いは考え方の違い

新築の場合少し特殊で、私は
「満室想定賃料を竣工までの全ての経費で割った利回り」
という考え方を(新築の利回りと)していたのです。

正直かなり中途半端な利回りの出し方にはなりますが、
『諸経費の多寡も新築の実力であり利回りの内』
と私は考えているため、これはこれで意味のある利回りだったりします。

ところが、もう一方の大家さんは、
利回りの分子(収入)の計算は同じだったのですが、
利回りの分母に関しては1の土地代+建物代のみで計算した利回りで話をしていたのです。

これによって、私の計算方法に直すと0.2%~0.3%程度下方修正する必要があります。
それでも優秀な新築である点に変わりはないのですが、
利回りが不明瞭なものであることを如実に表わしている事例ですね。

大家も悪い影響を受けてしまっている表面利回り

正しいか正しくないかということであれば、
どちらが正しいということはありません。
ただ1のみを分母にする方がより「真の利回り」から乖離します。
1のみで計算するのは、実は今の不動産投資の表面利回りの考え方に毒されてしまっているという考え方もできます。

例えばこの利回りの考え方ですと、
建売の新築と差が出ません。
土地からの新築の場合建物に対する仲介手数料は入らないからです。

とは言っても、私も当面は問題にならない、そして自分が計算できない、
不動産取得税(分母)や、固定資産税(分子)が入っていなかったのですから、
中途半端ではあります。

ですが、
このようにこの不動産業界の抱える表面利回りという理不尽な慣習は、
あえてそれを使い自分を大きく見せる大家さんを台頭させてしまう一方で、
特にそういった悪意がなくともお互いの収益力を同じ土俵で比べられないような弊害を生んでしまっています。

表面利回りは実力がわからないのが問題

さらに3の消費税還付(コラムでは説明していません)を分母から引いた利回りは、
“投資総額に対しいくら戻ってきたのか”という真の利回りの観点により近いため、
私の場合両方の利回りを出すようにしています。

融資条件とそれに関わる経費は個々の事情によって全く異なるため、
排除した方が良い気はしますが、
ここも正解はおそらくありません。

真の利回りにより近づけるか、あるいは
物件としてどちらが優秀だったかを素で比べるか、

このどちらにより傾倒するかで考え方は別れてしまいます。

正直者がバカを見過ぎるようでは困る

こんな普通の大家間の指標としてももう正確には比べられなくなっている、
これも費用面利回りの罠です。
ただし、リフォーム代を入れないで高利回りを実績と掲げるようなのは、
やはり”考え方”ではすまされないですよね。

皆様はこの問題どう思いますか?

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました!

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。