【第22回】表面利回りの罠⑬~瞬間的に跳ねる不動産投資利回りの特性

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みなさまこんにちは!

ストレージ大家ひらです。

引き続き不動産投資最初の洗礼にして最大の罠である
「表面利回りの罠」について説明していきます。

今回は利回りは跳ね跳び、なだらかに動かないという話をしたいと思います。

表面利回りの習性

表面利回りというか、不動産の利回りというもの自体が、
実は緩やかに上ったり下がったりするものではありません。
ある瞬間に一気に下がったり上がったりする特性があります。

均一に評価する表面利回り

私達が経営計画を立てる時、
あるいは金融機関が融資の判断をする時、
表面利回りに組み込まれていない
長期修繕費用,空室率,そして家賃下落率、
などを組み込んで融資の審査をする訳なのですが、
その際一律に年1%~3%などの下落幅を設定するケースが多いです。
しかし、実際の運営では、家賃の下落というのはそんなになだらかなものではありません。

飛ぶ利回り

ではどんな動きをするのかと言うと、
退去のタイミングでその時の他の世帯の最低家賃か、
あるいはまだ見ぬ最安値に落ちます。
これが古い世帯だと元々家賃というのは古い人ほど高くなっているものなので、
極端な家賃収入の下落になります。

飛ぶ利回りの例

例えば、古い入居者の201号室の方が退去になったとします。
次の募集家賃は57,000円から入りますが、
なかなか埋まらなかったり、指値が入ったりして、
55,00円で決まったとします。
すると、家賃は総額月1万円下落することになります。
すると、この1世帯の入れ替わりだけで
元々表面12%なら元の利回りに対して3.2%の下落、
元々表面15%なら元の利回りに対して一気に5.4%下落することになります。

恐ろしい最低家賃更新

最低家賃が更新されると次回からはこの価格が最低ラインになります。
場合によっては既存入居者もネットの募集を見て、
家賃値下げ交渉をしてきます。

もちろん、1世帯退去があるごとに、
あるいは家賃交渉が入って成立するたびに、
一気に家賃収入、そして何よりキャピタルは下落していくことになります。

こういった意味からも最低家賃を落とすことは、
大家としては最後の最後の手段にしないとなりません。
最低家賃に全ては習ってきます。

フレミア家賃による利回り急低下

話題を変えますが、プレミア家賃というものが賃貸経営にはあります。

多くは新築時の家賃です。
新築の場合、エリアにもよるのですが、新築を好む人によって普通より高い家賃がつくことがあります。
これを新築プレミアムなどと呼びますが、通常は入退去最初の1回転でこのプレミアムは励ます。
例えば新築プレミアムが3千円乗る場合、そして平均3年で退去された場合、3年後に一気に利回りは下がります。
これが新築プレミアム家賃の問題です。
これを知らないで買うと、本当の利回りを見誤って買うことになります。
新築プレミアムも重大な表面利回りの罠ですね。

利回り急上昇の例1 値付け誤り

一方、家賃下落より稀ですが、家賃が跳ね上がり、利回りが跳ね上がるケースもあります。
いろいろありますが今回は2つほど例を紹介します。
1つは値付け誤りです。

この場合、更新時か退去時に相場家賃に上げる交渉をします。
ただ退去のタイミングの方が多いでしょう。
実際に私の大家仲間の一人が新築で安く設定しすぎてしまい、
いま家賃アップの機会を伺っています。

利回り急上昇の例2 生活保護

次に、私がよくやる手なのですが、生活保護を受け入れることです。
生活保護には住宅扶助があり、生活費とは別に家賃が出ます。

例えば全国的にも最高値にある東京都の場合、
特別区23区全域と2級地の市(羽村市・あきる野市)を除く24市では
単身世帯で53,700円、2人なら64,000円、最大出ます。

もし上記のようなアパートが23区にあったらまさに狙い目で、
101,102号室の方の退去時に生活保護の方を受け入れられたら家賃を一気に53,700円に上げられる可能性があります。
実際にこれは私のデビュー物件の1つでやっています。
様々な準備が必要ですしリスクももちろんありますが……。

表面利回りの罠の中に利回りが跳ね跳ぶ要因が隠れている

これ以外にも家賃アップのやり方はまだあります。
ただ家賃が上がる例は稀です。
この意味からも家賃アップができたら大家業の醍醐味かも知れません。

一番多いのは、古い高い家賃の方が退去して新しい家賃に直り、
一気に利回りが下がるケースです。
キャピタルの価値が一気に下る瞬間です。

ただここは本来おかしくて、
高い家賃は現状の家賃に最終的には全て直っていくと考えなくてはなりません。
しかし今の表面利回り重視の状況からそれが皆できていないのが現状ですし、
退去や家賃値下げに応じない限り具現化しない問題でもあるので、
案外やっかいな問題です。

家賃は跳ね跳ぶ

話を元に戻しますが、
このように利回り(家賃)とはなだらかな曲線で下がっていくものでもまして上がっていくものでもありません。

ではどう考えれば良いのか?というと、
私の場合回転率に応じた期間で1戸ずつ家賃が直っていくようなシミュレーションを自分でします。

そして家賃の下落を抑える努力を最大限します。
今は実はこの努力は都会でないと難しいという思いがあり、
都心回帰に向かっている1つの理由になっています。

不動産投資の利回りの特性

表面利回り、不動産投資の利回りというのは、
上がる時も下がる時も跳ね跳ぶという特性を意識してください。
そして家賃がなだらかに下がっていくようにはむしろ最大限しない努力をしてデッドクロスを回避することが賃貸業において大きく利益を左右していくことになります。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございまいした!

 

ストレージ大家ひら

ストレージ大家ひら

様々な不動産投資を一通りやっている雑色系大家さん。始めた時から業者さんみたいと言われますが普通の大家です。投資の本質は歪みであり、トータルの利益を常に注目しています。最近の物件選定は都心回帰、新築回帰。運用目標は年24%、セルフストレージ投資も100室以上所有。